W204 C200CGIワゴン「VGSⅢの罠」

W204(C200CGIワゴン) 2012年モデル 走行距離56461Kmのお車が エンジン警告灯点灯及びセレクターレバー不良でシーバースにご入庫されました。ご入庫時のダイアグノシス点検(ベンツ専用コンピューター診断機)では、VGS(トランスミッションコントロールユニット)故障のみで、ミッション本体の滑り等は全く無かった。念の為オイルパンを開けてミッションオイルの状態を確認したが、鉄粉等も発見できなかった。これが、「VGSⅢの罠」にハマった事の始まりでした。この様な場合ディーラーさんではミッション交換で高額になる為、今回シーバースではVGSの純正新品を本国ドイツより取り寄せ、ピンポイントでVGSだけを交換修理することにしました。部品の取り寄せで2週間かかりましたが、VGSを交換したら無事エンジン警告灯も消え、ミッションもちゃんと繋がるようになりました。が・・・アダプション(車両に対するコントロールユニットの適応設定)の為のテスト走行をしている際に、2速→3速のアップ時の変速ショックの違和感が取れない状況が続きました。3速を過ぎればとてもスムーズで調子が良く、ダイアグノシス診断では全くエラーが入ってこない。これが大問題です!最初は純正新品の部品なので、アダプションに時間がかかるな~といった軽い気持ちでいたのですが・・・何度テスト走行を繰り返しても、ま~改善されない。オーナー様に確認したら、以前から2速→3速時の違和感があったとのこと・・!それ先に言ってよ~!この変速ショックが続くとせっかく新品で交換したVGSを再度壊してしまう可能性があるので、もう一度ミッションのオイルパンを開けて、バルブボディのソレノイドバルブ(電磁バルブ)を2速→3速部分と、使用頻度が低い6速→7速部分とを入れ替えることにしました。交換後ショック感は少なくなりましたが、僕的には70点位の出来栄えです。しかし、これ以上を望むには高額なバルブボディの交換またミッション本体のK2のディスク交換が必要な為、コストを考えてここで作業終了することにしました。